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2009年2月

2005年08月01日

テイラーは米国防総省(ペンタゴン)に到着した。
通常は一般公開されているブロックも閉鎖され、外部には二重…よく見れば三重のバリケードが構築されている途中であった。

それらを囲むようにM4と見れる銃を構えた兵にM60を固定して弾幕を張る兵、更にはあれほど評判の悪いPSGー1を装備した兵まで配備されている…

ヘリコプターから降りて、地下へと続くエレベーターに乗らされ更に10分は歩き、ついに一つの部屋にたどり着いた。

よもや本当にこのような非公開の場があるとは…

初めて入ったペンタゴンは父の仕事についていったときだったが、こんな奥には入らせてもらえなかった。
こんな時に不謹慎だとは思うがわくわくしてきた。
が、部屋に入ればそうもしていられなくなった…

入るなり、胸に目映いばかりの勲章をつけたかなり階級が高いであろう軍人達で埋め尽くされていた。
見るところ最低でも中佐以上の階級である。

「テイラー博士、なんの持て成しも出来なくてすまない。
何しろこのような状況だから我慢していただきたい。

ところで今、米国はどうなっているかわかるかね。」

軽く頷いておいた。
「わかった。
一応現在の被害状況を説明しておこう。」
そう言って手に握っているリモコンを押した。

上から"世界のソニー"製のテレビが降りてきた。

そこに移るのはHDMIで繋がれたPCの画面だ。

壁紙が痛い…
日本のゲームに出てくる銀髪の幼女の画像だ。

一瞬、氷河期が訪れたらこれ程の寒さになるだろうと想像してしまった…

慌ててペンタゴンの壁紙に戻したが、時既に遅しである。

階級章が中将と見えたその男は軽く咳払いをしてこちらをにらんだ。

国防総省ロリコンの巣窟か…と思ったが口にだそうものなら消されそうだ。

ロリコン印象を挽回しようと仕事のできる男のように振る舞い、マウスを使わずキーボードで操作したのが更なる墓穴を掘ってしまった…

デスクトップのパワーポイントのファイルを選択しようとして盛大に過ちを起こした。

目当てのファイルのその下に如何にも極秘書類のようなPDFファイル(ファイル名は愚か、アイコンすら偽装であった…)を選択した。

本人は気付かず語り始めた…
回りの制服組が呆れている…
「現在、ネバダ州を中心に人を狂わせ凶暴にさせるウイルスのパンデミッ…」
さぞかし焦っただろう。

いや、こちらも焦った。
まさか短時間でここまで日本のサブカルチャーを紹介できるアメリカ人がいるとは…
こんな声が聞こえた…
「お兄ちゃん……」
先ほどの壁紙の赤い眼で銀髪、更に紫のブレザー?のような服を来た少女が18才未満に不適切な内容をしゃべっていた…

流石に業を煮やした大将が、「10分後に改めて説明する。
博士には先に状況を知らせておけ」
と言い残して中将を連れて出ていった…

やれやれ。

しかし、こうしてついに正確な情報を手に入れたのだった。

どうやら、ネバダ州が事の発端であったが海兵隊による封じ込めに失敗し隊は全滅したらしい。

現在は各地に生ける屍が散らばり始めているとのことだ。

このウイルスについて現在分かっていることは、感染力が非常に強く、彼らの体液を粘膜から取り入れるだけでも同類に変貌するらしい。

そして厄介なことに…肌が硬化していて小口径のハンドガンなどでは頭を撃つ以外に対処法方がないことだ…

国が総力をあげてもこの程度のことしかわからない上に止めれないときた。

中には自国に核を撃ち込むなどと言う平時であれば気違いもいるが、強ち間違ったことではないだろう。

ただこの期に及んで人道的でないとかどうとか言っても埒が空かないではないか…

しかし父はノストラダムスに匹敵する予言者…
いや、それ以上のものであったのだ。

こうなることを予想して、VXについても書いてあった…

となるとVXは有効なのかも知れない。

外を守っている兵士は恐らく通常の弾ではなく劣化ウラン弾でも使っているのだろう。

父の研究していたときに既に現物があったわけでもなかっただろうし、劣化ウラン弾についての記述は見当たらなかった…

時計のタイマーがきっかり10分経過したことを示すと同時に、二人は戻ってきた。

この時はまさか彼と共に生死をかけて行動するなどとは思っていなかった…

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2005年08月01日

「現在カリフォルニア州では全域に警戒を呼びかけています。絶対に家から出ずに、施錠をしてください。
現在、謎の集団による暴力事件が発生しています。
州では原因の調査にあたっていますので外出されないようにおねがいします。」

と州のヘリコプターが告げた後五時間が経過していた。

さっきからテレビをつけてもカメラはスタジオで固定されたまま動く気配はない。

そしてニュースキャスターの姿すら映っていない…

そろそろ我慢の限界だ。

幸い銃砲店を営んでいた為に、武器はある。

なんでも来い、と覚悟を決めて防弾装備とガスマスクを装備してAN94を手にグロック18とデザートイーグルをホルスターに、そしてP90を背中に背負い街にでた。

その瞬間に気付いた。
血の匂いだ…

湾岸戦争では100人以上の死を見てきたから、よくない状況であるのは確かだ

通りには大量の空になった薬莢が転がり、脇にはAK47が落ちていた。
とすると、これは暴徒とやらの持っていた武器か、それとも市民が護身用に使ったのか…

それより本当にいつまで47使い続けるつもりだよ…
せめてもう少し新型買えばいいのに…

などと、どうでもいいことを考えていたが、とあることに気が付いた。

銃と共に血まみれの腕が落ちていて、そこから血の跡が続いている。

ここまでするとは…
よほど頭の逝ってしまっている奴等のようだ。

血の跡を追いかけて通りを覗くと、銃の主がいた。

壁にもたれかかった腕のない男。

そして彼に襲いかかる五人。

助けなければ…
本能的に思った脳が次の瞬間には行動させていた。

一番近くにいるやつから準にANで胸を撃ち抜き…
何故だ、倒れない…
銃声に気付いたAKの持ち主が「頭を狙え」と弱った声で叫んでいる。

すかさず頭を撃ち抜くと力がぬけたようにその場に倒れふして動かなくなった。
残りも同様に無力化して、男のもとへかけより安否を確かめた。

幸い「たった一夜でバイオハザードみたいな世の中になっちまった」なんて減らず口は叩けるみたいだ。

取り敢えず奴等について聞いたところ、彼等は一度死んでいて何らかの影響によって動き出したそうだ。

因みに頭部以外は硬化しており、並みの銃弾ではかすり傷すらつかないと言う…
死んだら奴等のようになるらしい。

これだけの情報が得られただけでも恩の字だ。

しかしこのまま彼を連れたままでは満足に動けないだろう。殺すべきなのか生かすべきなのか…

「奴等に成り下がりたくはないから殺してくれ。」

どんどん弱っていく彼はそう言ってうずくまっている…

あっさりと言ってくれやがる。


お陰で迷うことは無くなったが…

そして頭を狙い引き金を引いた

辺りに銃声がこだまする。

奴等が音に反応する可能性もあると思い、一旦装備を整えに帰ることにした…

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参章ー合衆国崩壊へー

 2005年8月01日

午前7時
ビリー・テイラーは眠気を覚ます為にホテルのベランダから外を見渡した。

空は青く澄んでいる。よし今日はプールで日焼けしよう、と思ってホテルのプールを見下ろして唖然とした。

プールが赤く染まっている…
周りを見ると開いた口が閉まらなくなった。

道行く血だらけの人々が地面を赤く塗りながら、走って逃げ回る人々を襲っている…

まるで映画で見たような光景だ。

まさか夢ということはあるまい…

室内電話を使い慌ててフロントに電話をする…が、誰も電話にでない。

どうやらこのホテルも安全ではないようだ…

直ぐにここを出なければ。

ヘリコプターの音が聞こえてきた。
米軍の強襲ヘリコプターMHー60Lブラックホークだ。

よく見ると12機見える。

どうやら各機はそれぞれホテルのヘリポートに着陸するようだ。

このホテルも着陸場所の対象となっているらしい。

屋上にいけば助かる。
そんな確証もない考えで部屋を飛び出ていった。

幸いにもスイートルームのあるこの階には、まだ血生臭い光景はなかった。

非常階段のドアを開けたところで、何者かに引っ張られた。
「博士、無事ですか。」と言われて初めて救助だと気付いた…
見た所この重武装は米軍のもので間違いないだろう。

しかし隊に1丁あるかないかのM249を全員が装備しているのは通常ではない。

外も通常ではないから当然だろうが…

何はともあれ、民衆から悪魔扱いされても軍隊からは見捨てられてないようだ。
そのまま屋上まで走らされてブラックホークに乗せられた。
隊長らしき男が「博士をお連れしろ。」と言うとパイロットはヘリコプターを離陸させた。

今まで他の事など考えている暇などなかったが、安全になったところで冷静に今の状況を把握できるようになった。

下を見下ろすと地獄絵図を垣間見たような気分になった。

逃げるものとそれを捕食しようと追いかける生ける屍…

父のせいで世間からは批判しか浴びず、その上に研究など認められたことなどなかったが、今こうして軍隊から助けられたのは、ある意味父親のお陰かも知れない。


父は、科学者だった…

それも戦争に加担するような憎い親であった…

父の手記によると毒ガスの製造に携わっていたらしい。

それも世界最凶の神経ガスの製造に…

自身も昔は科学者になることに憧れていたので父からよく話を聞いていたが、どのようなものか実感など沸かなかった…

世界的に有名な、ドイツのシュレーダーが作ったGガスと呼ばれるものがあった。
しかし父が研究に加わっていた神経ガスは、その10倍もの効力がある。そう、父の携わっていたのは英国が世界に誇るVXだった…

そして父の手記はこう締め括られていた

「私は人を殺すために科学者になったわけではない、人類を救う為に科学者になったのだ。

VXは世界を救うには不十分だが、間に合わせにはなるだろう。
親愛なる息子へ…
あれに噛まれてはいけない、全ての鍵はハルビンにある。世界が滅亡する前に必ず来るんだ。」

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弐章ー感染

 2005年07月31日

"彼"は動いていた。
荒れ果てひび割れしたた道の上を。

ただひたすら自らの欲求を満たす為だけに街の光を目指して動いている。

一台の車が彼の横を通りすぎて戻ってきた。

「乗せて行きましょうか?」と言い若い女性はドアを開けた。

今の彼には相手が女だろうと男だろうと、只無限に沸いてくる食欲を満たしたいだけなのだ。

そしてその女性はドアを開けたが為に食欲を満たすためだけの肉塊と化した…

ドアを開けた瞬間に車内に飛び込んできた…
悲鳴をあげようにも声が出ないいや…出せないのだ。

喉を一瞬で引き裂かれた為に、痛みすらない。

あっという間に彼女は絶命した…はずが起き上がった。

ものの数分で彼と同じになったのだ。

二人は共に灯りの煌めく街へと足並みを揃えて動いていった。

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壱章

2005年07月30日

あの日から60年が過ぎようとしていた…

帝国は戦争に敗れ、日本として生まれ変わり、国際平和がどうたら言っているが、未だに世界でも五本の指に入るほどの軍事力を保持している。

あの後アメリカの核兵器により幕を閉じた大東亜戦争は、両国に大きな犠牲をもたらした。

その後もアメリカは経済の悪化とともに戦争を起こしている。

皮肉な事に核兵器の被害を被ったのは日本だけなのだ。

戦後は世界的に核兵器廃絶を目指した運動が展開され他国に核兵器が降ったという情報は聞いたことなどなかった…

自分は、この地で密かに死を待つくらいしかすることはない
しかし自分には夢があった。

当時25才の時からずっと抱き続けたたった一つの夢を…

そう祖国の復興だ…

人生も残りわずかなのだから最後に帝国の為に散ろう、という気持ちしか残っていない。

あの爆弾にどのような性能があるのかわからないが、当時の帝国の優秀な科学者が作ったのだから核兵器にも引けをとらないはずである。

やるしかない…
もうやり残したことなどないのだから…

作戦決行日は明日31日だ…

遂にこの地に戻ってきた。

あの時、晴嵐の鋲を道に打ち込んでいたため位置の特定は難しいことではなかった。

さぁ60年ぶりの再開だ
年老いた体に喝を入れ土を掘り起こす。

やがて鈍い光沢を持つ黒色の物体が出てきた。

周りの土を丁寧に掘り起こして、中身をひきあげた。

もってきたニューナンブを構える。

しばし自分の人生に別れを告げ、静かにトリガーを引いた

爆弾に穴があいた…
天皇陛下万歳
そう叫び一瞬後の死をまった。

何秒たっただろうか…
爆発しない。

出るのは白い煙だけだ…
やはり俺のする事…な、何だ急に意識が薄れていく。

こんな死に方は嫌だ…
誰か助けてくれ…

助けてく…
死…た……い
助……

暖………が…しい
……かい肉…
肉…の肉が食………人…肉…………
やがて三島は意識を失った…

その後、二度と三島が人として動くことはなかった。

この異変に気づいたもまだいなかった

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人類滅亡への道筋1945〜2xxx

    零章
1945年7月30日 アメリカ西海岸

その日は豪雨が降り空には厚い雲が広がっていた

その中を一機の飛行機が飛んでいたことなど、戦争は遠い場所での事だと思っている米本土の人々が気付くはずもなくその一機は次第に本土の中心部へととびさっていった。

晴嵐に搭乗していた三島技術大尉にはこの小さな50キロ爆弾ひとつの中身が60年過ぎた後に世界を滅ぼすなど想像もつかなかった。

ただ彼は国の為に尽くせることができる上に、米本土空襲などという大任を担えたのだからそれ以外に頭を働かせる余裕はなかった…

真珠湾の奇襲を成功させたところから始まった大東亜戦争の戦局は、ミッドウェーで赤城、加賀、飛竜、蒼竜を失った辺りからアメリカに巻き返されている。

最早、制海権や制空権など無いに等しい大日本帝国海軍は、伊号潜水を単艦特務扱いで燃油や食料を満載し7月7日に秘密裏に出航させたのだった。

普段の乗員と更に航空機の為だけに整備士が4人と軍医と思わしき者が三人乗艦していた。

今回の任務に伴い艦の改修が行われ、士官室が無くなり様々な装置が搬入されたが乗員にも一部を除いて知るものはいない。

彼等7人は、乗員と接することもなく作戦決行までは謎の装置を使って実験を繰り返していた…

そして決行日となった、敵の目を防ぐのにこれ程の天候はない。

潜望鏡で周囲を確認して浮上した伊号潜水艦は、甲板上で晴嵐の最終整備に取り組んでいた。

02:00
新型爆弾を装備した晴嵐は荒れ狂う豪雨の中を飛び去った。

燃料の続く限り三島技術大尉は東に飛び続けた。
そしてれた荒れ地の上に爆弾を投下した、が…爆発しない。

不発だったのだ。

仕方なく作戦失敗時の手順を実行した
自らの痕跡を消すために着陸して爆弾を埋め、晴嵐を分解して隠して潜伏。
途中で全て無げだし死にたくもなったが全て指示通りに動いた

間もなく帝国は敗戦した。

この爆弾は大尉の誰にも存在がわからぬものとなった…


しかし全てはここから始まったのだった…

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